不動産売却で多いトラブルと対処法!事前に対策しておくべきことも解説
不動産売却は大金が動く取引なため、支払い関連、契約関連、法などに関するトラブルはよく起こりますですが、可能な限り避けるべきです。
これらはトラブル事例を事前に理解し対策することで回避できる場合が多くあります。
この記事では、不動産売却時に多く見られる5つのトラブルと対処法について解説します。また、トラブル回避のために事前対策しておくべきポイントもあわせて紹介します。安心して不動産売却ができるよう、参考にしてください。
1.不動産売却で多いトラブルと対処法
1-1.仲介手数料の金額に関するトラブル
不動産売却で特に気をつけなければならないのが、仲介手数料に関するトラブルです。
中には、法外な金額の仲介手数料を請求してくる悪質な不動産会社がいるため注意が必要です。
不動産会社に支払う仲介手数料は、法律で以下のように上限額が決められています。
上記で算出される金額以上の支払いを求められた場合は注意しなければなりません。
上限額内であれば法律的な問題はありませんが、あくまで上限額であり、中には値引きや無料で対応してくれる不動産会社もあるため、比較検討して総合的に判断することが大事です。
また、仲介手数料は売買契約が成立したタイミング、あるいは売買契約時と決済・引き渡し時の2回に分けて支払うのが基本なので、それより前に請求された場合は支払う義務はありませんので注意してください。
仲介手数料に関するトラブルの対処方法は、以下の通りです。
●複数社で比較検討する
●仲介手数料の計算方法や金額は、契約書に必ず記載してもらう
●仲介手数料以外の費用についても確認し、発生する場合は契約書に記載し明確にする
また、仲介手数料として請求される金額には、一般的な広告費や内覧業務に伴う費用が含まれています。それぞれの費用が別途請求されることがないように注意しておきましょう。
1-2.媒介契約に関するトラブル
媒介契約に関するトラブルとして多い事例に、囲い込みがあります。
囲い込みとは、不動産会社が売り手と買い手両方から仲介手数料を得るために、物件の情報を公開せず他社からの問い合わせや紹介を制限する行為のことです。買い手を自分で見つけられない専属専任媒介契約の場合に起こるケースです。
囲い込みが行われると、売却活動の遅延や、物件が安価に売りさばかれることから売主にはデメリットしかありません。
囲い込みをされると他社からの問い合わせが制限されるため、買い手がつかない状態が続き、売却活動が長引いてしまう傾向にあります。また、意図的に買い手がつかない状態にしている可能性もあります。中々買い手がつかないので「物件の価格が高いから売れない」という口実で、値下げしようとします。結果的に、売主は損をし、不動産会社は両手仲介で通常の2倍の儲けになる、という極めて悪質な手法なのです。
囲い込みの事例の多くは、売主側が気づかないと明るみにでないため、未だに横行しているのが現状です。
1-3.物件に関するトラブル
物件に関するトラブルでは、特に隠れた瑕疵(かし)に注意する必要があります。
隠れた瑕疵とは、不動産購入時にその瑕疵が買主にとって発見不可能な欠陥である場合のことです。具体的には土台部分のシロアリ被害や配管の水漏れがあります。不動産の瑕疵は、売主の責任として故意や過失がなくても「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」という民法上の責任が発生します。
そのため隠れた瑕疵であっても売主の責任として売却後に賠償請求される事があるケースがあるので、売り主側は売却する物件の状況を正確に不動産屋や買い手側に伝える必要があります。
隠れた瑕疵に関するトラブルは、どんな物件にも起こる可能性があり、売主が発見不可能でも契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)は追及されます。ただ、取引時に買主がその瑕疵を知っている、若しくは買主が注意をしていれば発見できたと考えられる場合には、買主は契約具適合責任を主張できません。
トラブルを防ぐために売主が事前にできる対策として、隠れた瑕疵に該当する部分を売却前にしっかりと確認することが必須です。売主は以下の対策を実践してください。
●ホームインスペクション(住宅診断)を実施する
●重要事項説明書等に隠れた瑕疵について、「買主の購入意思決定に影響を与える事項」「物件を使用することに影響を与える可能性がある事項(上記事例では給排水施設)」を記載する
●買主に対して売買契約前に建物の状況を詳しく説明する
●既存住宅売買の瑕疵保険に加入する
1-4.支払いに関するトラブル
支払いに関するトラブルで多いのは、契約を交わしたにもかかわらず買主から支払いがなされないというトラブルです。
事例としては、ローンの審査がおりる前に売買契約を締結し、手付金まで支払われたが、ローンの審査に通らず残額の支払いができなくなったケースが多いです。この場合、売主と買主の間で手付金の返却、媒介契約の取り扱い、残金の支払いが問題になります。
支払いがされないトラブルへの対処法は以下の通りです。売主は媒介契約締結前に実践してください。
●売買契約を結ぶ前に、ローンが組めるのかを確認してもらう
「ローンが通らなかった場合は売買契約がなかったことになる特約」に関する契約書の記載の解釈について買主と合意を得ておく(手付金の取り扱い、キャンセル料、残額の支払いについて等)
ローン審査に関する支払いトラブルの対処で難しい点は、ローンがいくら組めるのかは個人情報に由来するため、売主が予測できない点です。そのため、買主がローンを組めるのかどうかは事前に確認するよう促しておくのは大事です。またローン特約は、解除条件型(当然失効型)と解除権留保型(解除権行使型)の2種類あるため、どちらに該当するかで解除の条件が異なります。これらを確認の上で契約に沿った対処を行います。
ローンの審査に通らなかったため、売却契約を解除したいという事例は少なくありません。このトラブルは、多大な金額が関係するのと、トラブルに対処する分新たな売却活動を始めるまでの期間が長くなってしまうため、事前にできる対策はしておきましょう。
ローンが通らなかった場合は売買契約がなかったことになる特約(ローン特例)については以下の記事で詳しく触れているのでご覧ください。
1-5.契約解除に関するトラブル
契約解除に関するトラブルは、不動産売却に関するトラブルの中でも特に多いです。
契約関連の知識は複雑であるため、うやむやなままで進めてしまう売主・買主が多いことが原因です。ただ、多くの場合不動産会社の選定に問題があります。よくない業者を選んだ場合は、業者側に都合のよい契約にされていたり、通常記載されるべき事項が抜けていたりします。
具体的には、住宅ローンの事前審査を受けずに勢いで売買契約を行うケースや、手付金は支払ったけれど資金繰りができないため契約解除したいという際に、契約解除に関する支払いや契約の取り扱いでもめるケースが多いです。
契約解除に関するトラブルの対処法は以下の通りです。
●契約解除に関するトラブルの具体例を不動産会社から共有してもらう
●売買契約締結前に、契約解除に関する明確な取り扱いを決めておく
●不動産会社から適切なアドバイスをもらえない場合は、他機関へ相談する
契約解除に関する専門的な知識は、自分で調べられないことが多いので、不動産会社にサポートしてもらいます。詳細な説明がないなど親切な不動産会社でない場合は、契約解除に関する情報提供や買主との交渉を売主から促します。
2.不動産売却時のトラブルを避けるために事前に対策しておくべきこと
不動産売却時のトラブルを避けるために、事前に対策しておくことが大事です。
ご自身でできる対策として、以下の3点があります。
●安心して任せられる不動産を探す
●瑕疵(かし)担保責任について理解しておく
●契約前に売買契約書を細かく確認する
不動産売却のトラブルを避けるための一番の対処法は、安心して仲介を任せられる不動産会社を探すことです。
不動産売却に関するトラブルの多くは、売主と買主との情報共有の欠如や誤解が元で起きてしまいます。仲介に携わる不動産会社は、本来売主と買主のコミュニケーションをサポートし、双方が満足した売買を終えられるような役割を担っています。そのため、仲介を安心して任せられる不動産会社を選ぶことが、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
2-2.瑕疵担保責任について理解しておく
売却を行う際、売主として覚えておくべきなのが瑕疵(かし)担保責任(契約不適合責任)です。
基本的に、瑕疵担保責任によるトラブルの多くは、責任が売主に対して追及されます。建物の欠陥を知りながら買い手側に通知せずに取引をし、後に賠償請求されるケースです。
瑕疵担保責任の概念を理解しておくと、売却した不動産の破損等について、買主とのトラブルを未然に防ぐことができます。
瑕疵担保責任について理解すべきポイントは以下の通りです。
●契約不適合責任:契約時に伝えられていた内容と異なる点があった場合、売主が破損にきづいていたかは論点にならず、買主から売主に損害賠償等が請求できる
仲介でなく買取の場合は瑕疵担保責任が免責される
●雨漏り・シロアリ被害。排水管不備等も、瑕疵担保責任に含まれる
売主は売却に出す前に、物件の隅から隅まで綿密なチェックを行い判明した全ての懸念点を買主に正直に伝えます。そのうえで納得頂けた場合に契約を結ぶ事が好ましいでしょう。不安な点は、仲介する不動産会社に相談し、専門家のアドバイスを受けましょう。
瑕疵担保責任(契約不適合責任)についての最新情報やより詳細な事項は、法務省の説明資料をご確認ください。
また、瑕疵担保責任は 2020年4月に施行される民法(債権法)改正により、契約不適合責任という文言に変更されました。これにより、適用される範囲が拡大され、従来該当していた契約の解除・損害賠償請求に加えて、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完請求、代金減額請求も可能としています。
そのため、不動産売却を行う際はますます注意が必要となりますので理解しておきましょう。
2-3.契約前に売買契約書を細かく確認する
売買契約書については、契約前に細かく設定するポイントがあります。認識の相違でトラブルが生じやすい事項や、曖昧な表現で不動産会社や買主が有利に進められる事項は、事前につぶしておく必要があります。特に、契約解除の取り扱いに関しては誤解が生じやすく、売主の金銭的なリスクが伴うため、売買契約書で必ず確認しましょう。
契約解除に関する確認事項は以下の通りです。
●契約解除の取扱いの期限・解除する場合の取り扱いについて記載があること
●解約手付の記載があること
●ローンが通らなかった場合は売買契約がなかったことになる特約の記載があること
契約解除の取り扱いについての記載は、「〇月〇日までに建築確認申請の許可が下りない時は解約」等、解約条件の記載も確認することが望ましいです。
また、解約手付の記載は、「売主から買主へ契約解除を申し出る時は手付金の3倍、買主から売主へ契約解除する時は手付金の放棄」のように、具体的な事項を記載しましょう。
ローン特約の記載については、「住宅ローンが否決の場合は白紙解約という内容および、住宅ローン特約に関する期限の記載」を確認しましょう。
契約書全てに目を通すことは難しくても、契約解除に関する事項は細かく確認することで、売主への金銭的なリスクを減らすことができます。
契約から売却までスムーズに進むケースが多いとはいえ、契約解除をされる事も珍しくはありません。仲介を頼んだ不動産会社に、どのような場合に契約解除が行われるのかを書面上で確認し、買主にもその旨を書面で伝え、合意を得るよう依頼しておきましょう。
3.不動産売却におけるトラブルの相談先
不動産売却時は、自分の知識や経験だけではトラブルに対処できない大きなお金や、複雑な法律が関わります。そのため、トラブルについても専門家に相談するのが最適です。
具体的には、全日本不動産協会や全国宅地建物取引業協会などの専門家、法律の専門家である弁護士、登記簿の専門家である司法書士などに相談しましょう。
4.安心して任せられる不動産会社選びのポイント
専門家とは別に、安心して任せられる不動産会社を選ぶこともトラブルを防ぐ上で重要です。
不動産会社選びのポイントは、以下の3つです。
●売却実績が豊富な不動産会社か
●親身に対応してくれる営業マンか
●囲い込みをしないか
4-1.売却実績が豊富な不動産会社か
不動産会社は、それぞれ不動産の得意分野が異なります。特に注目すべきは、売却実績です。
不動産会社を選ぶ際には、売却実績の数だけを重要視するのではなく、得意分野を見極めることが重要です。
調べ方は、ホームページを確認するのが一番確実です。他にも、直接担当者に聞くことで予測できます。不動産会社の得意分野を調べて依頼することで、売買をスムーズに進めることができるため、売却実績は必ず確認し、実績が豊富なところに依頼しましょう。
4-2.親身に対応してくれる営業マンか
会社の規模や実績だけでなく、営業マンとの相性も大事です。
不動産売却は、大きな決断ということもあり不安な方も多いでしょう。そんな時、親身に寄り添ってくれる営業マンだと安心して任せられるはずです。それだけでなく、コミュニケーションも取りやすくなるため、納得しながら売却活動に取り組むことができます。
親身になってくれるかどうかは、質問や相談に対して熱心に対応してくれるか、レスポンスの早さなどで判断しましょう。営業マンの売却活動に対する姿勢は、売却を成功させるためにも大事です。
4-3.囲い込みをしないか
売主にとって、囲い込みは大きな機会損失です。なぜなら、囲い込みを行うことで、売却取引がスムーズにすすまないためです。
囲い込みをしない不動産会社かどうかを見極めるポイントは以下になります。
物件販売のポータルサイトや他社のホームページ・チラシへの掲載、レインズへの登録(図面)がされていることを確認する。
囲い込みが行われていると、問い合わせをしても物件の詳細情報を教えてくれません。図面情報についても「作成中です」「問い合わせ中です」と濁され渡してくれないケースが多いです。
上記のポイントをチェックすることで、囲い込みを回避できます。
まとめ
不動産売却のトラブルは、事前にトラブル事例と対処法を理解しておくことで防止できます。また、仲介を任せる不動産会社と良質なコミュニケーションをとっておくことも大事です。
不動産の売却は専門知識が必要なため、不動産会社選びが重要なポイントになります。査定価格や売却実績はもちろん大事ですが、営業マンとの相性も重要視して依頼するか判断することが大事です。
売却活動をスタートさせる前に、不安要素を解消しておけば、きっと理想的な形で売却も成功するでしょう。
本記事の内容を参考にして、自信をもって売却活動をスタートさせてください。
草加市・八潮市 不動産売却相談窓口
住所:埼玉県草加市住吉1-5-27
電話番号:048-948-6162
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